あ。
さっきお金を下ろすのに最寄のATMまで雨降りの中チャリを走らせた。
そのATMは地下鉄の駅の近くにあって私の進行方向から見て、ATMがあって地下鉄に降りるエレベーターがあって駐輪所があって地下鉄への階段がある。
道中、私は傘を差したお婆ちゃんを追い抜かした。
そのお婆ちゃんは腰も曲がっていて、重たそうではないにしろちょっとした荷物を持っていて、小さな歩幅で歩いていた。
私は駐輪所に自転車を止め、ATMの方に振り返るとさっき抜かしたお婆ちゃんがATMとエレベーターの間くらいで立ち止まって腰を伸ばしてた。
『やっぱこれくらいになると少し歩くだけでもしんどくなるんだなぁ』
なんて思いつつすれ違って私はATMに入った。
お金を下ろして外に出ると、地下鉄へ降りる階段の前で傘を閉じているさっきのお婆ちゃんがいた。
『ありゃ?』
私はてっきりエレベーターで下りていると思っていたのでわざわざ階段を選んだお婆ちゃんに少し驚いて思わず声を掛けた。
「お婆ちゃん、エレベーター使わないの?」
「え?…あぁいいの。だって他に人がたくさんいればいいけど一人だとこわいから。」
「?? そう?じゃあその荷物持って一緒に下まで降りようか?」
「んーん、大丈夫よ。親切にどうもありがとう。」
結局断られちゃいまして。
最初お婆ちゃんがエレベーターに乗らない理由がよくわからなかったけど今なら私なりにだけど解釈して解った気がする。
歳をとると行動が遅くなるからね、エレベーターに挟まれることとかを考えたんじゃないかなって。
最近こういうことが多くて。
私は良かれと思って行動をするもそれが相手にとってはありがた迷惑になってるみたい。
私って結構押し付けがましい性格なんですね。
優しさの押し売り、自己満足、過干渉、偽善者、お節介。
そんな言葉しか出てこない。
何だか自分に自信が無くなってきた。
本当はすごく嫌がってたらって。
お婆ちゃんもこんなジャージのちょんまげ野郎に話しかけられて不審者だと思ったから断ったんじゃないかとか。
あああぁぁぁ負のループ。
私のやることなすこと何も上手くいかない。
ていうかそもそも別に誰も私に何かを求めていないのか…!