さよならノクチルカ。

無事全ステージ終わりました。
あんなにたくさんの人数がいたにも関わらず舞台上での怪我がゼロ。
支えてくれたたくさんの方々のおかげだと思います。

素晴らしい座組でした。
初めての提携公演がfireworksで良かったと本当に思いました。
たぶんパーソンズとの相性はなかなかにいいと思う。

今回一緒にやってみて改めてfireworksの機動力の高さにいささか驚きました。
みんな若いのに。
よねちゃんを筆頭にみんながそれぞれ秀でた何かがあって、演者をする傍らそれを活かして裏方業もなんなくこなしてしっかりしてるなぁと眺めてしまいました。
そして今回ご一緒することによって初体験の、物販と楽隊による生演奏。
観に来た人達みんな喜んでいました。
私達にはできないことがたくさんあった。
それを近くで肌で感じられる。
この座組でいて何度鳥肌が立ったことか。
楽しかったなぁ。

そんな私は何かこの座組に還元できることはあっただろうかと不意に思います。
元々私は、もう本当若干引くレベルの人見知りで。
一緒にお芝居をやる方達とはほぼ初対面で。
何を話したらいいかもわからないし、でもみんないい雰囲気を出す演者さんで。
ただ黙ってみんなを眺めることしかできなかったです。
28歳にもなってこれだからもう一生直らないんだと思います。
情けないなあと思いつつもどうにもできない。
ただ人より時間が掛かってしまうだけ。
そう思うようにしています。
だってちゃんと小屋入りしてからか、もしくは打上では心をだいぶ開けるから(笑)
遅すぎるけどこれが私の最速なんです…。

だけど私は還元どころか、小屋入りから声が出なくなり迷惑をかけてしまいました。
危うく本当に今まで大事に作ってきたものに、穴を開けてしまうところでした。

一番人に迷惑を掛けたくないと思って生きているのに、
今一番人に迷惑をかけているのは自分だ、と。

ショックでした。
どうにかして舞台に立てるようにと努力しました。
なんなら小屋入り前からショウガ入りの料理を多く作るようにしたり、湿度を気にしたりしてきたのですが、よりによって、最悪のタイミングでウィスパーボイスしか出せなくなってしまいました。
本番2日目の朝、起床して声を出してみたとき、
『あー…おわった』と思いました。
本当に出なかった。

私にあてられていた台詞のほとんどを他の人にふる案が出ました。
私もそのときはそうするしかないと思いました。
でもそれは思った以上にとても大変で難しいことでした。
2ヶ月やり続けて身に付けたこと。
ついいつも通り反応していつも通り台詞を発してしまうだろう。
これを本番で出来る気がしないと思いました。
どんどんネガティブになり、周りの「大丈夫です、いつでも代われます」という言葉は「あなたがいなくてもこのお芝居は成立します」と言われているように感じました。
まぁ実際主軸でもキーマンでもなかったのでいなくても話自体は成立はしてしまうんですよ。
しんどかったです。
周りの優しさを優しさとして受け止めることすら出来ないことに。
でもだからと言って目の前で自分の台詞だったハズの言葉が別の人の口から聞くのも、想像しただけで悲しくなりました。
今までやってきたことが、こうも簡単に別の人で補えてしまうのかと思ってしまいそうだった。
…だけどここで私が不貞腐れても何もならないし、この良い座組にヒビを入れてしまうかもしれない。
私に残されたのが一か八かの由貴が提案してくれた針治療。
『これでだめだったらもう降板しよう…』
『なんならこんなに人に迷惑かけて演者なんて続けられない』
思考回路がもうそれ一色になってしまいました。

結果針治療は私にとって効果覿面でした。
あんなに出なかった声が、かすれてはいるものの舞台で使えるほどの声量は出るようになったんです。
これでどうにか私はこの公演で穴を開けずに済みました。
本当に怖かったです。

でも迷惑をかけたのは確か。
反省しようと思います。

差入れもいただきました。
嬉しかったです。
久々に会う友達からは結婚祝いにとフォンデュする機械を貰いました。
さっそく今日使います。

今回一緒に舞台に立ってくれた演者の皆様、楽隊の皆様、由貴、よねちゃん、舞監のよっちゃんさん、照明の平賀さん、音響のあゆみちゃん、製作スタッフの皆様と作り上げることが出来て良かったです。
ありがとうございました。

そしてお足元の悪い中ご来場して下さいました皆様、
本当に、本当にありがとうございました。